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<今月の健康メモ>

夏に流行する腹痛について

〇ストレスや温度差による自律神経の乱れ

 ストレスは腹痛の原因の一つとしてよく挙げられます。ストレスによって腹痛が生じるのは、ストレスによる自律神経の乱れが影響していると考えられます。

 自律神経は、本人が意識せずとも常に働いて体内のさまざまな機能に関わる神経です。自律神経には、体の諸機能を活発にする交感神経と、その反応に心身をリラックス状態にして休息させる副交感神経があり、そのバランスによって体を最適な状態に保っています。しかし、ストレスの影響などで両者のバランスが乱れると体にさまざまな不調が起こります。

 胃や十二指腸もストレスの影響を受けやすい臓器といえます。その為、例えば自律神経が乱れた結果、内臓が知覚過敏になり、通常なら症状があらわれるほどではない刺激を感じてしまい、痛みにつながることがあります。

 また、室内外の温度差による身体的ストレスも自律神経の乱れにつながり、腹痛を引き起こすきっかけになります。

〇夏場の食中毒

 夏場の腹痛には食中毒も挙げられます。食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。

細菌が原因となる食中毒は夏場(6~8月)に多く発生しています。その原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌(0‐157、0‐111など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などです。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温くらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。例えば、0‐157やO-111などの場合は、7~8℃ぐらいから増殖し始め、35~40℃で最も増殖が活発になります。また、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め湿度も高くなる梅雨時期には、細菌による食中毒が増えます。

食中毒の原因菌は「つけない」「増やさない」「やっつける」を意識することが重要です!

手洗いや食品の保存、調理方法などにより食中毒を未然に防ぐよう心がけましょう。

 日常生活において適度な寒暖のリズムを作り、自律神経をトレーニングすることが重要です。

 以下①~⑥は自宅でも簡単に寒暖のリズムをつくることができる対策となります。

①身体の局所を温める・・・筋肉や内臓を温め、深部体温を上げることで自律神経を整えます。

運動をする・・・散歩やインターバル歩行で循環を良くし筋肉を増やすことで自律神経を鍛えます。

首肩のストレッチ・・・緊張しやすい筋肉を緩めることで副交感神経を優位にします。

身体を温める食べ物を摂取・・・深部体温が上昇することで臓器が安定し自律神経も安定します。

規則正しい生活・・・睡眠、排便、食事は身体リズムの基本です。自律神経に強い影響を与えます。

入浴(発汗)・・・入浴で副交感神経を優位にする、また発汗することで自律神経を鍛えましょう。